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最新情報
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広報 平成17年 3月春季号 主な内容
■時の視点「逆有償回収、是か非か!」専務理事・総務部長 高山才亮

■日本アジアパシフィック訪問・報告書 城北支部(株)工藤商店 販売部主任 工藤嗣人

■東京協組 合同新年会 開催 広報部副部長 宮川 茂

■支部便り 城南支部 新年会 支部長 坂田 智

■組合員の広場「赤染次郎さんの思い出」    前理事長   宮澤一郎
       「もう一度あの映画に」足立支部 サン商事(株)西内澄江
       「長嶋さん、早くよくなって…」 前事務局長  三澤康男

■お知らせ「古紙価格」「3月会議・催事予定」他

■会議概要「平成17年1月・2月」

■編集後記 広報部副部長 脇 克美
■時の視点
「逆有償回収、是か非か!」
東京製紙原料協同組合 専務理事・総務部長 高山才亮

 産業古紙の発生量は出版部数の減少と相俟って激減の様相を呈している。取扱数量減をカバーするため、法外な高値仕入れ価格提示の仕入過当競争の愚行も頻繁に耳にする。その提示された高値仕入価格で、発生元へのサービスなど従前通り提供できるのか? 種々の問題を抱えながら波乱含みで綱渡り的、経営をしている業者もいれば、逆有償による回収で発生元に信頼され満足されて安定営業している業者もいる。
 回収コストの基本は「質」・「量」・「所要時間」・「サービスの提供」の四点にあるといえる、そのすべてを加味し、有償か逆有償回収かに分岐される筈だ。
 産業古紙の扱いは上場大手印刷社の紙加工部門の内製化、大手の寡占化もその実態であり、大手同士も苛酷な価格競争の中で多品種・少ロッド対応の新鋭機を導入し外注品を減少させている。中小印刷・製本工場も受注減から熾烈な企業努力が要求され、対応できない企業は廃業・倒産にも追い込まれている。そんな競争社会の中で得たものはコスト削減を達成しなければ生き残れないという事実だろう。コスト意識の昂まりは競争社会のもたらした功罪の功といえるが、仕入過当競争は業界の企業体質を弱体化させるだけの共食いだ。
 古紙価格は、包装革命といわれた木箱から段ボールの登場した昭和三十一年から第一次オイルショック直前とそれ以後にかけては、山あり谷ありの大変動相場を経験してきた。
『資源循環型社会構築基本法』が施行されている現在のリサイクル社会と比較すると隔世の感がある。法に則って古紙の回収率・利用率とも向上しているが、回収された古紙の利用率は遥かに届かずそのギャップから古紙は余剰の一途を辿り古紙価格は低位安定のまま推移している。昨年一年間の古紙輸出総量は二百八十四万トン、近い将来、輸入製品の包装材段ボールの古紙化を含めると、年間五百万トン輸出時代が到来すると予測されている。
 古紙回収増の大半はごみ減政策による集団回収への奨励助成、コスト無視の行政回収の普及、オフィス古紙の増量等が挙げられるだろう。然しオフィス古紙の大量発生元は従前から回収されてきた。全原連、古紙センターでも企画されているオフィス古紙回収増計画は未回収分野での取り組みである。期せずして平成十七年四月一日から『個人情報保護法』が全面施行される。IT関連のデータベース以外に当然、紙に記載された情報も含まれる。立法府である【内閣府国民生活局】によれば、紙情報の保持企業から委託されて、記載情報の完全破砕処理業務を契約し遂行するのは問題なしとしている。

石油化学製品の普及と紙との複合使用

 平成七年『容器包装リサイクル法』が施行されて十年が経つ。内容に様々問題点ありとして、中央環境審議会でも見直しの議論がなされている。壜・缶は別にしても廃プラスチック、紙との複合使用製品にはおのずと関わりが出てくる。発生元企業によっては、産廃処理した上、マニフェストの発行、保管を要求されるからだ。
 白板紙紙器がプラスチック容器へ数多く転換された結果、白板紙の生産量が激減し、専抄メーカーが整理淘汰され、古紙業界に与えた不渡り事故等の悪影響は未だ記憶に生々しい。国内の紙・板紙生産量の伸びは既に頭打ちと予測されている。回収された古紙の余剰分は輸出に頼らざるを得ないが、輸出先国の事情如何では不安材料も残る。
 当組合の定款には組合員の資格として「古紙を専業に取扱う古紙卸売業または古紙処理加工業を行う事業者とする」と謳われている。然しながら業容の変化に手をこまねいている訳にはいかない。鋭意「組合活性化委員会」が組織され【標準古紙価格と標準引取価格】【許認可関係の共同取得】等も大きな柱の一環として検討課題に取り上げられている。まことに時機を得た取組みと言える。広報、各種会議等にて組合員各位への意識啓発が喫緊の課題であろう。
■日本アジアパシフィック訪問・報告書
城北支部 (株)工藤商店 販売部主任 工藤嗣人

 26日(金)
 (株)工藤商店 工藤裕樹社長、共益・商会、赤染清康社長、宏栄紙業 坂内大介さん、私の4名にて、中国・広州にある、日本アジアパシフィックを訪問・視察させていただきました。約5時間のフライトで無事広州に到着、日本アジアパシフィックのリューさんにお出迎えしていただき、車内にて名刺交換させていただきました。約2時間、車に揺られROYALHOTELに到着、当日は部屋で暫し休憩して、訪問先の副社長・リーさんと合流して、夕食をご馳走になりました。

 27日(土)
 朝8時にホテル内のレストランにて、飲茶をいただきました。朝食後9時にリーさんとリュ−さんにお迎えしていただきホテルを出発。午前中は、外観からですが、製紙メーカーを視察しました。
 白い屋根の下にはプレスが山積みに・・・在庫量に圧巻!!何トンあるのかは想像がつきませんが、とにかく広いです。なかなか立派な建物が多かったです。しかし屋根があるだけの感じで、古紙をパルパーに入れているところがあったり、製品を保管している倉庫の窓がなかったりと、そのへんは中国らしいのかな・・・と感じました。
 日本でいえば富士地区にあたる感じで、中堅以上のメーカーがゴロゴロありました。金州紙業、理文造紙なども視察しました。どのメーカーも在庫は豊富でした。ナインドラゴンの敷地全域写真からは広大な広さが想像できました。・・・とにかく広い!! 大王製紙・三島工場より広いのでは?? と感じました。

 ナインドラゴンを後にし、午後より日本アジアパシフィックのプラスチックリサイクル工場を視察させていただきました。破砕してあるプラスチックを大まかに選別、洗浄、脱水、選別の工程です。破砕されたプラスチック原料ですが、木屑やコンピュータのチップなどが混ざっています。現在は日本のパチンコの破砕原料が多いそうです。
 水の中に破砕されたプラスチック原料をいれて、浮いてきた原料のみをすくい取る作業では、いけすから魚を取っている感じで男性にはノルマがあるそうです。選別作業を約40人の方々が一つ一つ原料を手に取り選別しているところでは主に金メッキや銀メッキのついた原料を取り除いています。薬品に漬けるときれいにメッキ類は取れ、取れたメッキも原料になるそうです。

 リサイクル工場を後にし、プラスチック原料を保管してあるヤードに向かいました。家電製品の部品製造工程における失敗商品や、ペットボトルの破砕原料、PPバンドの破砕原料、いろいろありました。しかし、現在は在庫不足だそうです。プラスチック製品の失敗物をギロチンのように砕いています。けたたましい音で、次の工程、破砕のために、ある程度の大きさにしていました。ある程度にカットされた原料は、破砕機によって2センチ四方にされていました。こちらは、ほぼ100%プラスチックなので、選別はしないようです。破砕された原料をフクロにいれていました。いろいろな色の原料が混じっていますが、先程のように黒い染料を加えながら、またリサイクルされるものと思います。

 一通りヤード内を見学させていただき、3階建ての建物の会議室で美味しいお茶をいただきました。プラスチックには20種類以上の種類があり、すべてを見分けるには、長年の経験も必要ですが、火をつけて匂いで判断することが一番多いようです。あとは地面に叩きつけて音で判断したりするそうです。まるでプラスチックのソムリエ??
 会社を後にしてホテルに戻り、リーさんと合流して夕食をご馳走になりました。

 28日(日)
 リューさんにお迎えに来て頂き、空港へ向かいました。これからのリサイクル業界、プラスチックリサイクルの進化と中国の発展には、今後も目が離せない3日間でした。
■東京協組 合同新年会 開催
広報部副部長 宮川 茂

 去る1月22日(土)に平成17年合同新年会が日暮里のホテルラングウッドにて開催されました。
 組合の全支部と青年部が合同で開催する新年会は今年で2回目となりますが、昨年の第1回目が好評だったこともあり、今年は昨年を上回る124名もの方々が出席されました。

 今年は、お正月らしく江戸情緒溢れる木遣りで幕開けとなりました。
 江戸消防記念会による木遣りを先頭にハッピ姿の正副理事長が入場され、同じハッピ姿の青年部員十数名が後に続きました。これは今までの新年会にはなかった演出ですが、出席者の皆さんには大変好評で、一年の始まりに相応しいものだと喜ばれたようです。

 皆川理事長の挨拶に続いて、ご来賓の畑俊一全原連理事長からご祝辞を頂き、続いて栗原正雄関東商組理事長の音頭で乾杯が行われました。
 いずれの方のご挨拶も、昨年にも増して当組合の発展、特に組合員の皆さんのご活躍を期待する旨の激励のお言葉に溢れていて、出席者一同気が引き締まる思いでした。このご期待に副えるよう今年も一生懸命頑張りたいものです。

 暫く歓談の後、お正月恒例の獅子舞の入場となりました。今年の獅子舞は神田囃子保存会によるものでしたが、東京都民俗無形文化財に指定されているだけあり、大変素晴らしい舞を披露して頂きました。
 獅子舞は各テーブルを回って舞を披露しましたが、おめでたい縁起物ですので、出席者の皆さんに幸運をもたらしてくれるに違いありません。
 獅子舞で盛り上がった新年会はカラオケ大会へと移り、日頃鍛えた喉自慢の方が次々と壇上に上がって歌を披露して、新年会は最高潮に達しました。
 カラオケ大会は時間の経つのも忘れるほどの盛り上がり方で、予定していた時間はあっという間に過ぎてしまい、気が付けば新年会閉会の時間となっていました。

 最後は、黒田義孝城北支部長による中締めの挨拶の後、江戸消防記念会の方に再び登場して頂き、木遣りのご発声で手締めを行って終了となりました。
 今年の合同新年会は昨年の第1回目を上回るほど盛大なものとなりました。ご尽力頂いた役員の方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。来年の第3回目は今年以上に充実したものにしたいと考えていますので、ご期待ください。大勢の方のご出席をお待ちしております。
 本年が組合員の皆様にとってより良き年となりますようお祈り申し上げます。
■支部便り 城南支部 新年会
支部長 坂田 智

 恒例の城南支部新年会は2月5(土)・6日(日)に群馬県上牧温泉辰巳館で開催いたしました。
 東京駅より上越新幹線に乗り、新幹線でも一杯やりながら上毛高原駅まで談議に花を咲かせました。駅には辰巳館のバスが待機してくれ辰巳館に向かう。宿に着いて部屋に入る前に隣の陶芸教室へ行き、12名全員参加で思い出の陶器を作りました。どんな素敵な陶器が焼きあがってくるかと待っている時がとても楽しみでした。
 あっと、書き忘れましたが、列車が最後のトンネルを出ると、そこは一面の銀世界でした。銀世界という最高のロケーションで辰巳館の露天風呂に入ることを想像することで、今年もまた幸せであるという予感を持たせてくれるのに充分でした。
 宴会は3人の美人コンパニオンも加わり、和気藹々とした雰囲気の中で行われましたが、時間の関係で残念ながら盛り上がりの中で中締めとなり、お開きとなりました。
 旅行のたびに感じることですが、田舎は空気と食事がとても美味しいので、今回の旅行も料理は何がでてくるのかと楽しみにしていました。辰巳館も期待通りの美味しい料理で、翌日の朝食は特に美味しくいただきました。
 そのあとは記念に集合写真を撮り、バスで地元酒蔵の「誉國光」に行って5種類の酒をいただきました。美味しいお酒なので皆さんはお土産を沢山買われたようです。
 帰りの新幹線では、皆さん今回の旅行をとても満足したように話されておられましたので、幹事さんのご苦労が報われた思い出の旅行となりました。
 写真担当の豊田社長、幹事の井出社長、中田章さん、ほんとうに有難うございました。
■組合員の広場
「赤染次郎さんの思い出」
東京製紙原料協同組合 前理事長 冨澤一郎

 私が赤染さんを知ったのは、昭和も20年代後半の頃だったと思うが、当時税金問題では、何か不適切な問題があった様に業界全体が思っていた。
 当時、業界の指導的な立場にあった富山さんの説明に対して、若い紳士然とした人が説明の一部に就いて違いますよと発言された。なんと凄い思い切った発言をする人だと思ったが、それが赤染さんであった。
 後年このひとの下で永年にわたって組合の仕事をし、最後は赤染理事長指導部の副理事長として、四期八年にわたって勤める事になろうとは露とも想像も出来なかった事であった。
 赤染さんの苗字に就いては、見るからに上品であるし、赤染さん自体が若い時から貴公子然としていた事は、知る人ぞ知るであろうし、言葉も丁寧であった。
 苗字が上品な感じな上に人柄も良く、往時女性歌人の赤染衛門の話になり、余りにも珍しく、思い当たる人が、後にも先にも居ない事から、遠く遡れば、そこに行き着くのではないかと話題になった事があったが、氏のことなので、相当勉強して調べたと思われる。
 赤染さんが人も知る一ツ橋大学を出ていることは、当組合にとっては大変誇らしい事であった。製紙業界、関係団体は兎も角、我が組合には国立大学出身者は殆どと言ってよい程見当たらなかった時代であった。
 東京協組五十年史を見ると、昭和三十四年に父房太郎氏の跡を継いで理事に出ている。その後一回休んで平成六年度まで理事を歴任し、昭和六十二年度より平成六年まで四期八年間理事長を勤められている。何事にも慎重であり、尚且つ公平で、業界組合の将来問題に就いては悩み、集直一体の意義については名言ではあるが善くも悪くもとれる公明正大さが感じ取れる、と遅くまで話し合い、又、時には組合会館の土地賃貸契約に就いて、時あたかももバブルの頂点にあったので、契約更新時は大変な金額になると話し合ったものであった。
 又リサイクル団体連合会の会長に納まる迄にどれ位会合を持った事か、その結果はリサイクル全盛時代の幕開けの一助になったと思われるのだが。
 このように、事の良否を冷静に判断する人柄の彼にも、ユーモアな一面があった。
 幼い頃に、歌は向いていませんね、と母から言われた事があるんだ、とカラオケに行ったとき彼は私に呟いたことがある。
 カラオケがとても好きで、自由時間には大変良く練習をされていたそうであるが、いざカラオケで歌う段になると、天性が輝いて時折自らの節回しに傾き、最高の歌の境地になって心をこめて熱心に歌うのだった。が、それは彼独特の節回しで、みんなからヤンヤの喝采に楽しい雰囲気に沸き返るのだったが、良く聞いてみると甲乙つけるのは別にして、正に立派な歌謡曲であり、しかも何よりも親近感が感じられた。
 そんな時、一番数多く何曲も歌ったのは彼であったと記憶している。
 亡くなるその日、奥様と一緒に庭の日向で寄り添って休んで居た時、奥様の胸に顔をうずめる様にして寄りかかったのが最後であったと聞いている。
 赤染さんが元気な頃に、“僕は女房に一目惚れしたんだよ”と言っていたのを聞いた事があるが、何と幸せなことか、最愛の奥様に抱かれて逝くとは。
 合掌
「もう一度あの映画に」
足立支部 サン商事(株)西内澄江

 十二時に昼食を済ますと、夫は千住の碁会所へ行くのが日曜日の決まったスケジュールである。予定どおり出掛けたので、私は上着を着替え上野不忍池の映画館に向かった。
 地下鉄の「不忍池口」のロードは長い、早足で急ぐ私をこんなに急がしたのは何故だろう、
 米国で「マディソン郡の橋」が早くもアカデミー賞の声が掛かり、日本でもオスカー賞との声が高い必見の映画だったからだ。空席に着いたら直ぐにベルが鳴り場内が暗くなった。
 私の呼吸は未だ荒い、幕が上がった冒頭に弁護士から鍵を渡され母の葬儀を終えたばかりの二人の子供は、躊躇しながら生前誰の目にも触れぬ事の無い木箱を開けることから始まる、最後まで良妻賢母だった母の日記を読む。母の四日間のサクセス・ストーリーに息が弾み、娘は何秒かの静止を覚えた。
 一九六五年秋、一人の男性がアイオワ州のマディソン郡にやって来た。屋根付きの橋の写真集を依頼されてのカメラマンで、道に迷い一軒の農家にふらりと入って来た。家には主婦が一人で、今朝早く夫は子供を連れて農産物の品評会にイリノイ州に出掛け四日間の予定だった。
 結婚十五年目初めて味わう一人の四日間、胸がわくわくし、とっても新鮮な心だった、不意に道を尋ねて家に入って来た、よそ者に警戒したが一緒に橋を見に行った二人は、何時か心が解け合って夕食を誘いカメラマンの失敗談に花が咲いた。旅の思い出話に笑いラジオから流れるブルースに合わせて、少し酔った二人はダンスを踊った、彼女は小刻みに身体が震えた。男と女はこの三日間完璧な日々で終わった。主人が品評会から四日目に帰宅する。
 「僕と一緒に来て呉れ」と叫ぶ、彼女は十五年培った家庭と居場所を捨てる事ができなかった。家族が帰って来ると再び日常の様々な手仕事に戻って来て、心の全てを埋め尽くした男性の事を想うことを邪魔した日々に変わっていった。
 数日後、買い物に夫と街へ出掛けた女性は、男の姿を見た。二人は言葉を交わすことも無く、ただ男性の車はドアーが開いていた。雨の降りしきるなか、ドアーの傍まで行ったが十米と離れていない夫の待つ助手席に飛び乗った。夫は妻の涙を訝しげに見詰めた。
 夫は急ぎエンジンの音を高くし離れた。五分程して、男性は女の涙を見て遅れて反対車線に動き出した。身体の中に野生の風を持つ男性、あまりにも辛い女の選択を受け入れる事が彼の唯一、愛の形だったのだと思った。煌めくような悲しい思い出を胸に彼女は最後の瞬間迄家族の愛に生きた。
 ラストシーンに涙を止めども無く流した、中秋の陽射しがとても眩しかった私です。
「長嶋さん、早くよくなって…」
東京製紙原料協同組合 前理事長 三澤康男

 野球界の至宝長嶋茂雄氏が病魔に倒れてから久しいが、まだその勇姿を垣間見ることができない。
 今更ではあるが、長嶋の魅力は持ち前の「天真爛漫」にあったのは疑う余地もない。爽やかな笑顔が持ち味であって、決して苦虫を噛み潰した表情の長嶋は、絵にも様にもならない宝の持ち腐れになってしまう。
 さて、華やかな現役時代を送った名選手が引退後の職務でもって、名監督ならずの例が多いのは何故だろうか。古くはホームランアーティスト青バットの大下弘(東映フライヤーズ)に、直近では一度は日本一の監督になったとは云え、やはり長嶋茂雄であろう。
 かって、現役時代には、まだ幼少の息子一茂を球場へ連れて行ったのはいいが、帰りには忘れて球場へ置き忘れてしまうようなこと・・・・。ストッキングを片方の足に同時に履いて、片方が無い、無いと大騒ぎをすること・・・。劇的なサヨナラホームランを打ちながら、ベース一周でのベースを踏み忘れてしまい、一本の本塁打を損している等々・・・。長嶋のエピソードは数多い。監督になってからも、バントの恰好をして代打を告げたことも・・・。だが、監督になってからは、持ち味の天真爛漫さが払拭されつつあったのは事実であろう。天真爛漫では、つまり勝負師としての「何かが」足りないのだ。監督長嶋への風当たりは選手時代の長嶋に対してとは「ワケ」が違うのだ。
 何かが足りない、その何かとは・・・。戦う軍団の一国の将として、指導者としての資質が感じられない。長嶋茂雄にはやはり、あの時に「巨人軍は永遠に不滅です」なんて言わずに、「長嶋茂雄は永遠に・・・」とか言って辞めるべきであった。と云うのは個人的選手長嶋の状態で辞めれば、団体的巨人軍の監督なんか受けずにいられたのではないでしょうか。
 長嶋茂雄に監督としての適性が無いとは、一回目の就任で証明されたが、二回目の監督復帰によって一度は日本一の監督になったのは流石であった。
 然し、本人の希望であったかどうか定かでないが、あのオリンピック日本代表監督にはならずに、もう若手に任そうと譲り、自分はセ・リーグ会長にでもなれば良かったのにと思うのは思い過ぎか。そうすればあの忌々しい病魔に冒されずに済んだものを・・・。
 さて、長嶋のカムバックはまだ遠いようだが、現実は厳しく、まして現役時代の長嶋を知らない世代が多い現在は、長嶋は危機がおとずれている日本のプロ野球界のコミッショナーにでもなって、側近に一茂氏を置いて、プロ野球界で残りの人生をまっとうしたら如何であろうか・・・・。
 ともあれ、長嶋さん、早く良くなって下さいと思わざるを得ない昨今である。
 平成17年 雨水
■お知らせ
●古紙価格 東資協の古紙4品の標準売値 3月8日現在(kg)

 ※新聞     5円(横這い)
 ※雑誌   3〜4円(横這い)
 ※段ボール 4〜5円(横這い)
 ※色上(並)3〜5円(横這い)
●関東商組の融通(共販)事業 平成17年3月度実施の共販価格(kg当り)

 ※新聞古紙  10円    プレスもの・店頭価格
 ※段ボール古紙 9円50銭 プレスもの・店頭価格
●3月会議・催事予定(関係団体含)

 3月 3日(木)理事会(pm4〜)組合会議室
 3月10日(木)古紙センター評議員会(pm1〜)古紙センター会議室
 3月11日(金)支部長会議(pm4〜)組合会議室
 3月16日(水)古紙センター業務委員会(pm2〜)古紙センター会議室
 3月16日(水)全原連役員会(pm3〜)
 3月17日(木)古紙センター関東地区委員会(pm2〜)古紙センター会議室
 3月25日(金)紙センター静岡地区委員会(11時30分〜)フジロイヤルプラザH
●訃報

 荒川支部 桜井商店 代表者桜井栄一殿 ご尊父 桜井朝次殿(享年83歳)
 平成17年1月31日逝去 謹んでお悔やみ申し上げます。
●代表者変更

 文京支部 三弘紙業(株)代表取締役社長 上田晴健殿 平成17年2月17日付
 尚、上田雄健前社長は代表取締役会長に就任されました。
■会議概要 1月・2月
●1月定例理事会

 平成17年1月17日(月)pm4時〜 於)組合会議室 出席理事22名

皆川理事長挨拶
 新年明けましておめでとうございます。
 昨年発足した組合活性化委員会に関して、今年度中に組合を活性化させるための指針が委員会から提出されるものと期待している。組合としては、この指針に沿って組合の活性化を実現させ、組合員の皆様のお役に立てられればと願っている。今年は組合にとって変革の年となると感じているので、皆様のより一層のご協力をお願いしたい。

総務部
 1月会議催事確認、2月会議予定。詳細は省略

渉外部
 会館の借地料見直しの件は、当事者双方の弁護士が話し合った上で、裁判所に調停を申し立てるという形で折衝が進んでいる。

直納部
 2月23日に直納部共販合同委員会を予定している。今回はM商店のS常務をお招きして、品質問題や今後の見通し等について伺い、共販委員会の今後の可能性について探っていきたいと考えている。
 年末年始は各メーカーとも概ね古紙在庫を持って越年したと思われ、また、輸出も2月の旧正月までは落ち着いた状況が続くだろう。11月の輸出量は257、523トンで、11月までの累計は257万トンとなった。12月末までに280万トンを超えると思われる。

【市況報告】

[上白・特中白]
 上白・特中白共に発生は少ないがバランスは取れている。パルプは12月積み対日輸出価格が11月の価格と同じ横這いという形で決着した。北米パルプメーカーは再三値上げの意向を示したが、年末商戦向けに紙の生産が増える秋需が一段落したこともあり、前月の価格を据え置くことで需要家側に歩み寄る結果となった。
 北米産NBKPは、11月積み価格が在庫減を背景に5ヶ月ぶりに値上げされたが、もう一段の値上げには抵抗が強かったため、12月積み価格は510〜530ドル/トンで決着した。中国向け12月積み価格が据え置きで決着したことも影響したと思われる。

[家庭紙原料]
 産業古紙の発生は昨年も悪かった。メーカーの製品在庫は、昨年11月頃から増えてきたが、年末の時点では少なくなったようだ。これは、製品を安値で売った結果だと思われるので、在庫の動向は今後も注意が必要だ。家庭紙の輸出に関しては、特に「込頁」や「ミックス古紙」の輸出用コンテナの確保が困難な状況となっている。そのため、輸出できずに国内に回されて在庫となるケースが多少見受けられる。この状況は旧正月が明ける2月中旬頃まで続くと思われる。富士地区では原料在庫は概ね潤沢に推移しているようだ。

[切付]
 家庭紙と同様産業古紙の発生は悪い。発生元である印刷製本工場の仕事量が減り続けていて、その結果、特更メーカーに定期的に納めている切付が不足することとなり、やむなく一部をキャンセルせざるを得なくなってきている。仕事が少ないため臨時休業する発生元も少なくなく、事実上週休2日という稼動状況になってきているようだ。

[新聞・雑誌]
 集荷量、輸出量、価格ともに変化なし。問屋在庫は12月は多かったが、1月と2月で減ると見込まれるので、需給面では今後タイトになっていくだろう。

[ダンボール]
 メーカー在庫は多い。古紙輸出量全体とダンボール輸出量の対比は次の通り。(カッコ内がダンボール)

 2001年:146万トン( 57万トン)
 2002年:189万トン( 84万トン)
 2003年:197万トン( 88万トン)
 2004年:257万トン(122万トン)

 このように段古紙の輸出量は年々伸びているが、最近の輸出用コンテナ不足の問題や、国内メーカーの生産調整が今後どのように影響するか見守っていきたい。

[上台紙]
 産業古紙であるため発生は悪い。集荷量、価格ともに変わらず。

[返本雑誌]
 大きな変化はないが、付録のCDやビニール表紙が増えてきて、その処理に困っている。

集荷部
 かつては古紙価格が乱高下を繰り返し一喜一憂したものだが、平成の時代に入ってからは下がるばかりで上がることはなく、現在では最低の水準にまで落ち込んでしまっている。価格があまりに高過ぎてはメーカーの経営を圧迫することになるが、逆に安過ぎると、今度は古紙業者の経営を圧迫することになるので、メーカーと古紙業者の両者が相応の利益を得られるような適正価格に戻るよう願っている。

広報部
 広報新年号に関して、多くの組合員の方から広告を頂き感謝している。次号3月号の原稿寄稿をお願いする。

運輸部
 組合で扱っている法人用ガソリンカードについて、大勢の方に利用して頂くようになったおかげで、組合に手数料が入金されるようになった。今後より一層のご利用をお願いする。

事業部
 1月22日開催の組合合同新年会では各担当役員の皆さんにはよろしくご協力をお願いしたい。

青年部
 合同新年会では青年部員がお手伝いさせて頂くので、何なりと申し付けて頂きたい。
リサイクル部 リ団連では法人化に向けての発起人会を結成した。一日も早い社団法人化を実現させ、業界に反映できる組織作りを目指している。
●古紙センター 関東地区委員会

 平成17年1月18日(火)pm3時〜 於)古紙センター会議室

【需給動向】
〔関東商組32社実績〕04/12月
 単位トン( )は対前年同月比 在庫の( )は在庫率

〔業者側コメント〕

〔新聞〕
 12月は好天に恵まれ、順調な集荷となっており、落ち着きを取り戻した。輸出については円高傾向ではあるが価格的に安定しており、正月前の在庫確保から要求度が強い。市況はタイト感の強い需給のバランス状態で推移していくものと思われるが、業者在庫は依然として低位なため、高くなり過ぎた仕入価格の調整ができにくい状態となっている。

〔雑誌〕
 11月の仕入・出荷は順調だったので業者在庫は年末若干の増加となっているが、非発生期につきそうは増えないと思われる。輸出も年間を通じて安定した輸出量となっており、雑紙やオフイス古紙等の回収増もあり輸出によってバランスを保つ形となっている。市況は当面バランス状態で推移すると思われる。

〔段ボール〕
 12月仕入は年末の発生期ということで103.4%(対前年比)と順調で、出荷も101.1%とほぼ前年と同様であった。 関東商組32社の1〜12月仕入は155万7千トン(対前年比103.1%)、出荷は154万8千トン(対前年比102.9%)、在庫は19.1%(出荷対比)で7千トン増(昨年比)となっている。  輸出は11月までで100万トンを超えた数字となっており、関東も54万2千トンで全体の53%の比率となっている。 全国の年間は115万トン程度と思われ、毎月10万トンほど出ていることになる。 今年は上海地区のリー&マン、ナインドラゴンなどの大手メーカーが本格稼動となっており、本年も発注は衰えないと思われる。中国市場については登録制度もスタートしたが、今後色んな意味から注視していく必要があると考えている。

〔メーカー側コメント〕

〔新聞〕
 夏以降天候不順もあったが、10月以降は回復しており12月の入荷は各メーカーとも極めて順調で在庫率を高めている。一方、消費は正月向けの操業も加わり順調であったが、在庫はそれでも増えている。 1月に入って一部で雪の影響もあり、若干入荷が悪いと思ったが予測通りとなっており、消費の方も計画通りである。

〔段ボール〕
 段ボール函の12月数字はまだ出ていないが、予測では137億4百万平米と過去最高の数字とみている。 段ボール古紙は、一時メーカー在庫が減少して懸念されたが、現在は入荷が順調で、在庫も多く窮屈な状況である。
●第7回業務委員会 1月27日(木) 午後1時30分〜 於)古紙センター会議室

議題
1.平成17年度事業計画(案)について
  主な事業内容
  (1)需給安定対策事業
  (2)構造改善事業
  (3)広告宣伝事業
  (4)調査研究事業
  尚、事業内容の詳細については紙面の都合で省略させていただきます。
2.全国古紙の需給・市況動向について
  平成16年12月度の報告は 紙面の都合で省略させていただきます。
3.古紙利用新技術セミナーの開催(東京)
  開催日時:平成17年2月23日(水) 13:00〜15:40
  開催場所: 発明会館ホール
  募集人員: 290名
  参加料:  無料
4.平成17年紙・板紙内需見通し 単位千トン、(対前年増減率)

  2004年実績見込
  紙   計 19,438(2.1%)
  板紙  計 12,405(0.8%)
  紙・板紙計 31,843(1.6%)

  2005年(見通し)
  紙   計 19,534(0.5%)
  板紙  計 12,446(0.3%)
  紙・板紙計 31,980(0.4%)
●古紙センター 静岡地区委員会 1月26日(金)pm4時30分〜 フジロイヤルプラザH
 出席者:メーカー8名、業者22名、事務局2名

〔高橋委員長代行の挨拶から〕
 本年も宜しくお願いしたい。市況等はすでにいろいろな形で出ているので、敢えてコメントは控えさせてもらう。
 2004年の紙生産高は30,893,000トンの予測が出ている。これは4年ぶりに前年を上回ったということである。
 昨年秋には、洋紙関係が“一部値上げ”という形で値上げが実行できた。しかし、今年に入り紙パの状況は新聞報道でも言っているように、減産傾向になると思われる。
 これは円高により、輸入紙が11月から多く入ってきていること、経営者の本音としてのメーカーが減産をするという状況になっているからである。
 いずれにしても、今年も昨年同様に中国の拡大成長により、特に装置産業では原材料の高騰が大きく影響して厳しい状況が続くのかと思う。
 古紙については、お互い安定供給ということでやっていきたいので、ご協力のほどお願いしたい。

【市況動向】

〔第一部会〕 上物古紙

 11月までは発生期ということで順調に入荷した。しかし、11月末から現在まで産業古紙の発生が悪くなっている。したがって、入荷率も相当落ち込んでいる。家庭紙を含め、色上・一品・ケント関係の入荷が相当落ち込んでいる状況にある。各メーカーで入荷がタイトで、富士地区だけでなく他所でも在庫が激減している状況にある。
※業者側から=上白・上物関係は発生が少なく、不足気味である。上ケント・家庭紙向けを含め、12月は発生が非常に少なくなっている。

〔第二部会〕 新聞・雑誌

 新聞は、国内関係12月はタイト感が若干薄れ、需給のバランスが取れた状態になっている。これは11月以降好天が続いたこと、板紙関係の消費が多くなかったことが原因と思われる。静岡地区においても11・12月は比較的生産が順調であったが、入荷も計画通りあり、在庫も計画通りの状態にある。
 雑誌についても、タイト感は若干緩和してきている。
※業者側から= 新聞の昨年累計は、32社の集計で、入荷が前年度比103%丁度、出荷が104%丁度ということで、入荷分がそっくり出荷されたという事が言える。輸出は11月までの累計で572,000トン、前年比188%と前年の2倍近いものが輸出されたといえる。関東・静岡のメーカー在庫は11月末が約60%、前年に比べるとまだ20ポイントくらい低い。一時のタイト感は、入荷が年末にかけて順調だったことにより、薄れてきている。
 雑誌の1年間累計入荷:103.3%、出荷:103.4%とこれも入荷=出荷といえる。輸出の11月までの累計は598,000トンで前年同期比150%。メーカーの在庫率は41%、前年とほぼ同じということで、大きな変化はない。ただ、洋紙の減産が発表されており、昨年は参院選・オリンピックという大きなイベントがあったが、今年はそういったものが無くやや心配である。いずれにしても輸出頼みというのが業界の実態かと思う。

〔第三部会〕 段ボール

 段ボールの生産は11・12月と計画通り順調な中で、入荷も順調であった。1月に入り、各社の事情により1月減産、2月減産ということもあり、入荷も順調という中で在庫は目一杯という状況である。
※業者側から=12月は例年並の発生であった。メーカーにはぎりぎりまで取っていただき感謝している。ヤードの振り回しのスペースも確保でき、落ち着いてきたというのが昨今である。輸出は、一番大きなユーザーの中国が旧正月に入るということで、コンテナの積込み・出荷が止まるのではないかという心配があったが、商社もあちこちに振り回してくれているので、それほど極端な滞貨にならずに済んでいる。価格的には、ドルベースでアメリカ物が天候不順の影響があるのかと思うが、若干の強含みになっている。為替レートがどう動くかによって多少の上下はあるにしても、1月と大差なく2月も推移していくものと思われる。

その他

〔メーカーから〕 品質問題で、昨年夏ごろ捺染紙の問題をお願いしたが、今回は板紙でプラスチック系の異物によるトラブルがこのところ相次ぎ、秋口ころから非常に多くなっている。個々のメーカーから問屋さんにお願いしているが、中々直っていかない。このままではかなり大きな問題になっていくのではないかと思う。具体的には、油滲み・目玉・核という形で製品に出ており、雑誌・段ボールにこの問題が発生している。何が一番の原因か調べているが、成分としてはプラスチック系のものが抄き込まれているといえる。原因が特定できない中で話題にするのはどうかと思うが、現実にトラブルが起こって非常に困っている。ワックス系なのか、また最近雑誌にCDが付いていることが多いので、そういうものが紙の仕上げ部分のドライパートで融けて欠点になって出てくるのかと思う。これが目立ってきたのが秋口以降で、何故なのかということと、まだ続いているので話題にした。調査中なので、これから情報提供をしていくが、対応をお願いしたい。
●2月定例理事会 2月3日(木)pm4時〜 出席理事23名 於)組合会議室

皆川理事長挨拶
 1月22日開催の組合合同新年会は、皆様のご協力により成功裏に終えることができ御礼申し上げる。
 今年は役員改選の年でもあり、5月の総会に向けて新しい役員候補の方を人選して頂くことになるので、各支部長を始め役員の皆様には宜しくご協力をお願いしたい。また、本日も皆様からの活発な意見を期待している。

【各部報告】

総務部
(1)会議・催事予定、3月会議・催事予定はお知らせの欄をご参照ください。
(2)横浜市泉区における集団回収に関して、従来禁忌品とされていたもの(ワックス加工紙、油紙、合成紙、感熱紙など)も古紙として回収できる旨を明記した文章が、泉区の担当課長名で配布された。この件について古紙業界から抗議したが、既に配布済みとのことで、配布された文章を訂正するなど具体的な対応はなされなかった。
 集団回収を行っている組合員の皆さんは、この件に関する問い合わせがあった際には、古紙業界としては対応できない、若しくは、ゴミ処理代を請求することになる旨を伝えて頂きたい。

渉外部
 昨年から懸案になっている製紙原料会館の地代賃料減額の調停訴訟を裁判所に申し立てることになり、当方では猪原弁護士に代理人となってもらうため、理事長名で委任状を発行することになった。

直納部
 12月の古紙輸出量は268,111トン、昨年1年間の累計は2,842,186トンとなり、過去最高を記録した。
輸出量全体の約70%が中国向けで、品種別では約40%がダンボール古紙、出荷地域別では54%が関東地区という結果となった。国内の紙・板紙の需要は昨年31,8843,000トンで、紙が2.5%増、板紙が0.9%増となった。
 生産量は1.4%増の30,893,000トンで、4年ぶりに前年比増を記録したことになる。
 今年の内需見通しは31,980,000トンで、紙が0.5%増、板紙が0.3%増と見込んでいるが、今年の生産はやや減産傾向に向かうと思われる。裾物三品の消費見通しは今年上半期(1月〜6月)が95.4%と、前年比では減少している。国内消費が減少するということは、その分輸出量が昨年以上に伸びると予想される。
 輸入物のトイレットペーパーだが輸入量は2002年頃までは年間2,000トン以下だったものが、2003年は12,282トン、2004年は20,849トンで、前年比170%を記録した。中国からのパルプ物のトイレットペーパーが急増している。

〔市況報告〕

[上白・特中白]
 上白・特中白は、発生は少ないがバランスは取れている。パルプは、国際価格に先高感が出てきている。旧正月が明けると中国からの買い付けが上向くと見込まれるので、一段高が予想されている。北米産NBKPの1月積み価格は520〜530ドル/トンで決着した。今年は米国北部の大雪や南部の大雨など天候不順の影響で原木の供給が不足しているため、パルプ需給は引き締まった状況にある。2月積み以降は、更に一段高が見込まれている。

[家庭紙原料]
 昨年11月の大手メーカーのいわゆる「爆弾発言」以降、富士地区の家庭紙メーカーでは戦々恐々といった状態が続いている。その結果として、製品価格の値崩れが非常にひどくなってきている。
 産業古紙の発生は相変わらず悪い。回収古紙については、ミックス古紙の中国向け輸出が滞っている。その原因は、旧正月という理由の他に、日本から輸出された古紙の一部が品質的に非常に悪かったということもある。そのため、国内の家庭紙メーカー向けに回されたものも大分あるようだ。四国のあるメーカーが値下げを打ち出してきた。2月16日からミックス古紙が1円、模造・色上が2円値下げと発表された。これに対する静岡地区、岐阜地区の反応はまだ把握していないが、いずれにせよ、家庭紙メーカーとの取引においては、決済条件を十分に考慮する必要があるだろう。

[切付]
 価格、荷動きともに変化なし。ある出版社では、出版物の内容の見直しを行っていて、最近になって一部の出版物(中綴じ)の頁数を十数頁減らしたとのこと。頁数が減るということは、その分だけ古紙の発生量も減るということなので、今後は、製本部数から古紙の発生量を予想する際には、頁数の減少分も考慮しなければならない。出版部数の減少に加えて頁数の減少というダブルパンチは、切付の今後にとって大変厳しい状況になりつつあるといえる。

[新聞・雑誌]
 新聞は高値で安定している。もう一段の値上がりを期待したいところだが、現在は国際的な動向を注目しているところなので大きな動きはない。雑誌は、国際的には大手のAPP(アジア・パルプ・アンド・ペーパー)社と中小メーカーとの間で白板を巡る戦いが起きると思われるので、今後の動向に注目したい。

[ダンボール]
 中国の製紙メーカーでは、新しいマシンを導入したところが本格的に稼動し始めてくる時期だと思われるので、ダンボールを巡る市況は今後変わってくることになるだろう。中国国内ではバラの段古紙の集まりは良いようだが、バラの段古紙だけではメーカーの生産スピードに対応できないので、今後も日本や欧米からの原料調達は続くだろう。但し、現在のところ、アメリカは天候不順の影響で段古紙の発生が悪いため、当面は日本からの輸入が多くなると思われる。又、アメリカの古紙業者は、中国での水分検収に関わるトラブルを敬遠する傾向がある。アメリカでは中国向け段古紙の値上げを打ち出しているが、これは中国へ輸出するのを控える意味も含まれているのではと思われる。一方、日本の製紙メーカーでは各社とも減産を行っている。12月末の時点で問屋在庫は少なかったが、メーカー在庫はかなり多かったようだ。タイでは、最近購買意欲が高まってきているが、アメリカの段古紙が高いため日本に注目している。現在のところ、日本からの海上運賃が高いので思うように捗っていないが、輸出する側からすると、中国だけに頼っていると万一の場合大変危険なので、その点を考慮して複数のルートを確保しておくことが大切だろう。

[上台紙]
 産業古紙の発生は相変わらず少ない。板紙メーカーは3月までは減産を続けると思われるので、現状は大きな変化はない。

[返本雑誌]
 昨年は出版物の販売が7年ぶりに前年比増となった。内訳として、書籍の販売は増えたが、逆に雑誌の販売は減る結果となった。書籍では「ハリー・ポッター」等のミリオンセラーが7,8点あったため好結果を得られることとなった。
集荷部 組合員のアンケート調査で要望の多かった「標準古紙引取価格の作成」は、これまで組合活性化委員会で検討し先日その内容がまとまったので、2月14日の集荷部委員会でその内容を発表して、出席委員の方に諮ることになっている。

運輸部
※1月21日に富士貨協荷主懇談会に出席したが、富士貨協から正規運賃を維持して欲しい旨の要望があった。
※先日福島県内で、古紙を運搬中のトレーラーが横転して対向車の運転手が死亡するという事故が起きた。ロープを掛けていなかったため荷崩れを起こしたのが横転の原因のようだ。皆さんも、出荷される際にはこの点を改めて注意して頂きたい。
※ガソリンの共同購入について、12月は8万リッター以上の利用があった。ご協力頂いた方に感謝する。尚、2月1日からガソリン・軽油が値下げになっているので、更なるご利用をお願いする。

事業部
 1月22日の合同新年会は成功裏に終えることができた。組合員皆様のご協力の賜物と感謝している。
また、今年の通常総会は5月16日(月)に上野精養軒で開催されるが、詳細については改めてご連絡する。

青年部
 青年部の総会を本部の総会時に合わせて開催できないものか検討している。2月21日に青年部幹事会を予定している。
●古紙センター 関東地区委員会 2月16日(水)pm2時〜 古紙センター会議室

【需給動向】

〔関東商組32社実績〕05/1月 単位( )は対前年同月比、在庫の( )は在庫率

〔新 聞〕
仕入  70,524( 97.7%)
出荷  75,285( 95.6%)
在庫   9,645( 12.8%)
〔雑 誌〕
仕入  51,327(101.7%)
出荷  54,101(107.2%)
在庫   8,899( 16.4%)
〔段ボール〕
仕入 113,697(100.1%)
出荷 123,456(101.5%)
在庫  16,426( 13.3%)

〔関東・静岡実績〕 05/1月 単位トン( )は対前年同月比、在庫の( )は在庫率

〔新 聞〕
入荷 213,844(102.3%)
消費 225,549(105.9%)
在庫 149,820( 66.4%)
〔雑 誌〕
入荷 129,805(108.1%)
消費 124,516(106.3%)
在庫  67,956( 54.6%)
〔段ボール〕
入荷 272,087( 94.5%)
消費 272,693( 98.0%))
在庫 133,095( 48.8%)

〔業者側コメント〕

〔新聞〕
 32社の1月入荷は11月.12月の反動からか97.7%と減少。一方出荷は順調で、在庫率は12.8%と先月より3%ダウンとなっており、今月に入っても続いている。しかし、3月以降は発生期に入るので需要側の在庫状況からみて問題ないと思われる。輸出は中国からの引合が引続き順調で、価格的にも強含みで推移している。

〔雑誌〕
 国内需要側の生産調整で市況は弱含みで推移しているが海外は順調で、32社統計では10〜12月に引続き1〜2月も順調な出荷となっており、在庫率も16.4%と前月比4%ダウンとなっている。
3月以降は発生期に入り回収増が見込まれるが、輸出の伸びから需給はバランスすると思われる。

〔段ボール〕
 32社統計では1月入荷は100.1%と前年並み、出荷も101.5%と順調。国内メーカーさんの生産調整から消費が多少減少したが、輸出が順調で在庫率は13.3%と月初より1万トン減となっている。12月の輸出は26.8万トン、累計で284.2万トンだが、このうち段ボールは114.4万トン、東京・横浜・川崎からの出荷は60.5万トンと全国の53%になっている。中国上海向けが多く、2月8日からの旧正月にもかかわらず買いは止まっていない。今年はアメリカや為替の動向がキーになると思われる。

〔メーカー側コメント〕

〔新聞〕
 1月は非発生期を考慮した計画であったが、入荷・消費とも予定通りで変化はなかった。2月に入り若干入荷が落ちているが、計画の範囲内で問題はない。

〔段ボール〕
 段ボール原紙のメーカー生産は97%と対前年比減少、各社とも在庫置場確保のために生産調整を行ったようである。段ボール古紙の入荷は順調であり、その結果古紙在庫は48.8%と12月比横這い。1月の段ボール原紙の国内出荷は99%、段ボール会社の張り合わせ量は前年比98%程度になったと聞いている。

平成16年度集団回収感謝状交付の推薦について〔推薦業者名〕
※台東区立平成小学校PTA
 東京都台東区(株)近藤商店 参加所帯数200、昭和30年から開始
※弘道(こうどう)二丁目町つくも会
 東京都足立区(株)新井商店 参加所帯数550、平成5年から開始
※富士見丘町会事業部
 東京都杉並区(株)梶谷商事 参加所帯数800、平成10年から開始
●集直正副委員長会議 2月18日(木)pm4時〜 出席委員8名 於)組合会議室

〔皆川理事長挨拶〕
 このところ古紙センターに連日行っているが、3月の年度末が近づいた事を実感する。当組合も新年度の計画作成の時期を迎ており、これから皆さんのご協力をお願いしなければならない。本日も有意義な会議とさせていただきたいので宜しくお願いしたい。

〔近藤直納部長〕
 従来は家庭紙三団体懇談会に向けての会議であったが、この2月は懇談会が開かれない事から直納部の全般的なお話をさせていただく。古紙再生促進センターの資料では2004年の紙・板紙内需見通しは31,843(千トン)、対前年比+1.6%の実績見込み、2005年は31,980(千トン)、対前年比+0.4%の見通しとなっている。
また、2004年度(1〜12月)の古紙回収量は21,506(千トン)、古紙回収率は68.5%、古紙利用率は60.4%となっていて、古紙の回収は毎年伸びている。
 家庭紙の市況については、昨年製品価格が下がったことから今年に入って減産傾向にあり、製品価格の修正に取組んでいる。昨年暮れには原料不足を心配して大騒ぎしていたが今は落ち着いており、操短しながら在庫調整と製品値上げに取組んでいる。また、ここにきてメーカーさんの与信問題がでてきており、手形支払から現金化への移行など決済条件の改善について当組合としてお願いしなければならない。皆さんと相談して3月の早い時期に家庭紙メーカーさん、特更メーカーさんを訪問したいと思っている。
 段ボール・新聞・雑誌については、主に段原紙メーカーさんを中心に昨年から生産調整が行われており、段ボール古紙や雑誌の輸出価格が国内価格に近づいてきている。メーカーさんは段ボール古紙の在庫が満杯の状況から段古紙・雑誌の入荷調整を行っているが、そんな中で新聞は順調な流れをしている。
 このような需給の中で中国を中心とした輸出が順調で、2月の輸出価格は1月より若干上がっており、今年も国内の減少した分がそっくり輸出に向けられると思われる。また、組合活性化委員会で標準古紙引取価格の設定を検討しているが、集荷業のコストだけを計算しても、直納業者の仕切り価格(仕入価格)が判らなければ説得力がないだろうという事から、東京協組が毎月在庫報告をお願いしている問屋に、在庫報告と一緒に主な品種の仕切り価格をお願いしてはどうかと考え、今月開催される直納部委員会に提案する予定である。今組合活性化委員会では幾つかの項目に取組んでいるが、来年度に全てをスタートさせるという事ではなく、無理せず出来る事から始めようと云う事で取組んでいる。直納と集荷の問題についても、急いでどうこうするという事ではなく、じっくりと取組んでいきたい。
 品種別の市況については省略するが、昨年、メーカーさんの切付の購入量は対前年比91.6%と1割程、消費のほうも92%と8%落ちている。また、模造・色上は入荷が100.9%、消費が101.7%で多少伸びている。

〔集荷部〕
 2月14日(月)の集荷部会で組合活性化委員会で検討している古紙の標準引取価格について意見を伺った。ABC3案の中で、半分を引取手数料とするC案(詳細は省略)が集荷部案と決まった。
 しかし、古紙の品種、発生量、引取条件などで様々なケースがあり、難しいケースも中にはある。
●直納部・共販委員会 2月23日(水)pm4時〜 出席委員16名 於)組合会議室

市況報告

[上白・特中白]
 上白・特中白の発生は少ないがバランスしている。パルプは相変わらず好調で、2月積みについても高値で推移している。

[家庭紙原料]
 産業古紙の発生は少ない。但し、ミックス古紙については、中国向け輸出が現在のところ滞っている状態なので、それが国内メーカーに回されている。全般的にはバランスしている。

[切付]
 産業古紙の発生は非常に少ない。2月は非発生期だが、例年と比較しても一段と発生量が減っているように思われる。最近では大手の発生元ですら発生量が減ってきて、臨時休業するところも出始めてきている。そのため、特更メーカーに納める量を確保するのが困難で、一部では未納ということも起きている。切付という古紙で商売を続けるにはどうすれば良いか、組合全体で考えていただきたい。

[新聞・雑誌]
 平成17年度の国内の生産計画は3,190万トンで、前年比ほぼ横這い。4月以降の輸出量の伸びに期待したいが、全般的には弱含みで推移するだろう。

〔段ボール〕
 2月は各メーカーが操短を行ったこともあり国内需給は芳しくないが、輸出は好調に推移している。3月のメーカーの対応はまちまちで、操短を続けるところもあれば、決算を見越して生産を続けるところも出てくると思われる。メーカーの今後の動向を注目して対応すべきだろう。

[オフィス古紙]
 オフィスミックス、込頁の発生は良い。3月〜4月の発生期を迎えて更に発生量が増えると思われる。中国向けの輸出が芳しくないが、現地の在庫が捌けてくれば徐々に回復してくるだろう。国内では2月に四国のメーカーが値下げしたが、その影響が今後どう出るか見守りたい。

韓国向け古紙輸出の現状と見通し

(M商店S氏より説明)
 日本から輸出された古紙について、その納入先が一部変更された。当初のH製からA社に一部変更された。このA社は、H製紙と比べて品質基準が若干緩やかであるためH製紙ではクレーム品とされるような古紙も引き取ってもらうことが可能だ。更に、同社は月間200〜300トンの古紙を必要としているというので、現在貴組合が静岡の家庭紙メーカーに納めているケントと同等の品質のものを受け入れてくれるか交渉中。価格面では、若干低い価格帯である上に、海上運賃の高騰、為替の問題により厳しいところもあるが、月間300トンからの古紙を継続的に輸出することは、需給バランスを維持するためにも意味のあることなので、今後も引き続き輸出を継続するつもりだ。また、当社ではアジアペーパー社以外にも有望なメーカーを開拓する方向でいる。
■編集後記
広報部副部長 脇 克美

 とある2月の日曜日、2,3日前から風邪を引いてしまい、昼近くまで布団でやすんでおりました。
 ふと外に目をやると雲はどんよりとして低く、風邪のせいで感傷的にでもなっていたのでしょう、両親の出身地である富山県氷見市の冬の景色を急に思い出しました。
 もっと暗く、重い雲で雪がシンシンと降り積もり、雷があちらこちらで鳴り響きます。
 この頃が有名になった寒ブリの漁期です。
 地元ではこの雷を「ブリ起こし」と呼んでありがたがります。しかし、2月に入るとブリは南下しだし、漁も終わります。代わりに富山湾では真ダラがとれだします。実は私はこの真ダラが大好きなんです。ブリはアブラがきつすぎてあまりなんですが、タラは淡白な味ながら滋味あふれ、エラ以外捨てる所がありません(骨は鍋でしゃぶりつくした後捨てますが)。父の存命中は親戚からたまに送って頂きましたが、こちらも先方も代替わりとともに、だんだんと疎遠になっていくようで、これもいたしかたないのかも知れません。残念!
 編集後記にもならない拙文を書いてしまいましたが、組合員の皆様もお体に気をつけて、風邪など召さぬよう祈念いたします。


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